"傷つきやすい"を克服するには「繊細なプライド」を手放そう

"傷つきやすい"を克服するには「繊細なプライド」を手放そう

世の中では、プライドが高い人というと「面倒臭そう」「近寄りがたい」「気を遣う」など、ネガティブな印象を持たれがちです。

その理由は分かりやすく、そうした人は、ちょっとした一言でもムッと不機嫌になったり、否定的な反応をしてしまうからです。

しかし、一方の本人も、そうした反応をして気まずい空気を作ってしまったり、相手のリアクションで傷ついたりと、実は強い生きづらさを感じています。

かくいう私自身も、プライドが高いのにも関わらず、嫌われることを恐れる気持ちもあったため、いつも我慢して、ぎこちない笑いで誤魔化すことばかりしていました。

当然ながら、そんな人と好んで付き合う人はいないので、人間関係の中で、どんどん孤立していき、一時期はになるほどに追い込まれたのです。

私は、その状況からなんとか抜け出すために、長年にわたる様々な試行錯誤を行い、ようやく現在では、自然体で生きる楽しさを実感できるようになりました。

今回の記事では、「プライドによる傷つきやすさ」を克服した経験者として、その根本的な原因や解決策を紹介していきたいと思います。

プライドが高くて傷つきやすい人の特徴

まず、実際にプライドが高くて傷つきやすい人のとりがちな行動を挙げてみます。

耳が痛いかもしれませんが、過去の私自身も全てに当てはまっていたので、安心してご覧ください…笑

  1. 会話では基本的に否定的な話をする
  2. 自分より充実している人には、何かと理由をつけて見下す
  3. 自分より程度の低い人には、上からアドバイスをしたがる
  4. 自分がイジられると、ムッと不機嫌になる
  5. 受けた屈辱は忘れず、相手の欠点を脳内でジメジメと分析する
  6. 仕事では、失敗を恐れてチャレンジしたがらない
  7. 他の考え方を受け入れられないため、人に意見も聞かない
  8. 注意されても非を認めず「でも〜」と言い訳をする
  9. そのため実力が身につかず、口だけの裸の王様状態
  10. 結果として失敗をして大恥をかき再起不能になる
  11. 身近に慰める人もおらず、さらに性格がこじれていく

いかがでしょうか。こうして客観的に見ると、確かに面倒くさい・関わりたくない人に分類されるのは仕方がないと思います。

とはいえ、多くの当事者が、こうした態度がよくないと自覚をしていながらも、無意識に発動してしまうプライドとの付き合い方が分からないのかもしれません。

解決の糸口を探るためには、まずこの「プライドが高くて傷つきやすい人」が出来上がっていくプロセスを細かく見ていきましょう。

1.もともと繊細でデリケート

まず前提として、プライドが高くて傷つきやすい人は、生来から繊細な感覚を持っており、感受性が豊かな分、精神的なダメージも受けやすい傾向にあるのだと思います。

最近では、刺激を過度に受け取ってしまう人のことをHSP(Highly Sensitive Person)と呼ぶようになりましたが、プライドが高い人も、この性質が根本にあることが多いのではないかと思います。

とはいえ、感受性が豊かだからこそ、相手の気持ちを推し量れたり、創造的な仕事が得意などのメリットもあり、この体質自体は良いものでも悪いものでもありません。

ただ、多く受け取る刺激をうまく受け流せなければ、些細なことでいちいち傷ついてしまい、生きづらさを抱えることになるでしょう。

2.かつては自信を持っていた

さて、プライドが高いということは、かつてはそれに見合うだけの優れた点を持っていたり、あるいは自分でそう思い込んでいた過去があることになります。

例えば、サッカーがうまかった、勉強ができた、絵がうまかった、異性にモテたなど、子供の頃まで遡ると、人前で得意になれることが多少なりともあることでしょう。

そのことで人から羨ましがられたりして、「自分は尊敬される存在だ」という体験が記憶に刻まれ、それがプライドの根っこにあるのだと考えられます。

あるいは、子供の頃から親から褒められたり、甘やかされてきた人は、そのように自分自身が大切にされることが当たり前になっているのかもしれません。

このように自尊心が高くなるような体験が過去にあるからこそ、自分が無下に扱われた時にギャップを感じ、「私をもっと大切にして!」と感じてしまうのではないでしょうか。

3.大きな挫折でトラウマができた

多少のプライドは誰しもが持っているものですが、中には大きな挫折を経験することで、一気にひねくれた方向にいってしまう人がいます。

例えば、大事な場面でミスを犯してしまったり、派手な失恋をして笑い者にされたり、友人に裏切られ、いじめを受けるようになったりなどが挙げられるでしょう。

こうした挫折や恥は、誰しも人生で一度は経験するものですが、プライドが高くて繊細な人の場合、受けるショックは常人の数倍になります。

そのため、はたから見ると些細な出来事に見えても、本人にとっては、人生を変えてしまうほどの大事件になることもあるのです。

辛い時に支えてくれる人がいれば良いのですが、人によっては全て抱え込んでしまい、自分でダメージを回復できない状態に陥ります。

そして、その傷が癒されないまま抑圧されると、それはトラウマとして心に深く定着してしまい、今後の人生に大きな影響を及ぼすことになります。

その人は以後、過去の失敗が再現される状況をとことん恐れて、まるで知覚過敏のように、さらに刺激へ反応しやすい体質になってしまうのです。

4.無意識に「自己防衛」をしてしまう

このように、自尊心を突然失うような経験をしてしまった人は、何かにつけて、自分を守るための否定的な行動、「自己防衛」をするようになります。

自己防衛とは、自分が何か危険を感じた時に、反射的に自分の身を守ろうとする働きです。

例えば、熱いものに触れた時に、体が反射的にバッと反応して火傷を回避した、という経験があるでしょう。

心も同じように、自分の立場が危うくなった時などに、反射的に否定的な反応をしたり、言い訳をしたりなどして、自分を守ろうとします。

心はさらに記憶を携えているので、過去にショックを受けた時と同じ状況に出くわした際に、反射的に拒絶のエネルギーが働くのです。

プライドをこじらせてしまった人は特に、周囲の評価に敏感になっており、何かにつけて自分の尊厳を守ろうと必死になっています。

そして、自分の立場を守ろうとして、上から目線になったり、批判的な言動をしたり、自分の非を認めないなど、否定的に思われる行動をとってしまうのです。

それらは全て、自分自身の弱さを懸命に守ろうとする姿であるのです。

自己防衛のほとんどが「思い込み」

厄介なのが、この自己防衛のほとんどは、過去のトラウマからくる思い込みによるもので、自分の見方で現実を捻じ曲げてしまう点です。

例えば、過去に誰かにいじめを受けたとしても、次に出会う人がいじめをするとは限りません。

ですが、トラウマを抱えた人の目には、相手の行動の全てが、自分を攻撃するかのように写り、明らかに過剰な自己防衛をして、相手をも傷つけてしまうのです。

結果的に、さらに孤立する状況を自分自身が呼び込んで、トラウマを重ねて、どんどんと性格がひねくれる負のループに入ってしまいます。

そのループに自分がはまっていることに気づいたら、できるだけ早く何かの行動を起こさなければ、抜け出すことは困難になっていくことでしょう。

拗らせたプライドを改善する方法

以上が、私自身が体験してきた、プライドが高くて傷つきやすい性格が形成されるまでのプロセスです。

どうしたらこの厄介な性格を改善し、生きづらさを解消することができるのでしょうか。

その方法は、経験上、主に3つあると思っています。

1.プライドにふさわしい実力を身に着ける

ひとつは、態度が上から目線であっても、否定的であっても、それが許されるくらいの実力を身に着けることです。

例えば、もし何かの分野でプロになることができれば、口だけではない努力家であることが証明されて、認めてくれる人が現れるでしょう。

繊細な感覚を活かして、創造的な作品を生み出したりなど、溜め込んだ感情を昇華できるような活動が合っているかもしれません。

ただし、実力がついたからといって、自己防衛の否定的な癖が治るわけではないので、仕事や活動では尊重されても、人間関係では変わらず避けられがちになります。

外面的な努力とともに、やはり自分自身の内面としっかり向き合い、変えていく必要があるのではないでしょうか。

2.プライドを踏み潰される

次は、なかなかハードですが、徹底的にプライドをけちょんけちょんにされることで、無理やり捨て去ることができます。

人から情けない現実をはっきりと突きつけられることで、はじめて自分が特別でもなんでもないということを思い知り、強制的に謙虚になるのです。

自分から進んでこの体験をすることは難しいですが、とにかく様々なことに挑戦しては失敗することを繰り返せば実現します。

あるいは、職場などの環境の変化で、こうした状況に嫌でも直面して、プライドを捨てざるを得ない状況に追い込まれることもあるでしょう。

ただ、この方法は衝撃が強すぎて、場合によっては立ち直れなくなったり、卑屈になってしまったりなど、別のネガティブな価値観が形成されてしまう可能性もあります。

できることならば、もっと穏便に心の問題に向き合う方法を模索した方がよいかもしれません。

3.人に話してネガティブな感情を解放する

もう一つの方法は、自分の凝り固まった価値観に気づき、丁寧に手放していくというアプローチです。

一番手っ取り早いのは、自分の抱えている問題を人に話すことです。身近に話す人がいなければ、カウンセリングやセラピーを受けるのもよいでしょう。

感情を抑圧している状態が心身にはもっとも負担になるため、まずは話すことで、心に隙間ができ、凝り固まったこだわりを解放していくきっかけになるのです。

そうした自分の心を見つめるというプロセスは、プライドの問題に限らず、人生においても重要であり、生き方をより良いものに改めるきっかけにもなるはずです。

ただ、誰かに相談したとしても、根深いトラウマや否定的な癖は、簡単に手放すことができないものであることを理解しなければなりません。

それは、仮に、自分の問題の原因に気付いたとしても、癖として深く染み付いてしまっているので、わかっちゃいるけど、やめられないのです。

それだけ、長年の染み付いた自己防衛の癖を変えていくのにはとても長い時間がかかるのです。

それらの深いトラウマ、癖を手放すのには、私自身とても苦労しましたが、次に紹介する方法によって、最終的にほぼ解決することができました。

私の場合:瞑想でプライドを溶かす

ここからは個人的なオススメになりますが、私の場合、厄介なプライドを手放すために、様々な試行錯誤をして、最終的に「瞑想」にたどり着きました。

瞑想というと、じっと座って何もしないというイメージがありますが、まさしく何もしない時間をとって、自分自身を見つめる営みです。

何もしないのに効果があるの?と思うかもしれませんが、厳密には、自分自身の内側の浮かんできた思いに気づき、手放していくという高度なことを内側でやっています。

その過程で、自分の深くにある固まった余計な思い込み、トラウマなども次第に溶けていき、解放させていくことができるのです。

瞑想のメリットは、科学的にも広く認められており、深いリラックスが得られたり、自律神経を整えたり、鬱が改善したりなど精神へのポジティブな効果が数多くあります。

私も最後の頼みの綱として瞑想について調べ上げ、最終的に素晴らしい瞑想法に巡り会って、そこから人生が大きく変わりました。

瞑想を続けていく程に、自分自身の凝り固まった価値観がどんどんと溶けていき、プライドが元で悩むことが、数年でほぼなくなったのです。

イメージとしては、まるで柳のように、良くない感情の波が来ても、冷静に受け流して、すぐに元のように中心に定まって冷静でいることができる感じです。

結果的に、仕事やプライベートでの周囲の評価も、「意見を聞かない意固地な人」から「人当たりが良く柔らかい人」と変わり、とても人生が生きやすくなりました。

他の療法やセラピーでは、ここまでの変化はありえず、世の中にこんな素晴らしい方法があるのかと、ただただ驚きを隠せませんでした。

プライドをポジティブに変えていこう

以上、この記事では、私と同じ悩みを抱えている人の助けになるよう、ひねくれたプライドを落としていくための方法をいくつかまとめてみました。

きっと、プライドそのものは、ある種の自信でもあり、見ようによっては悪いものではないのかもしれません。

プライドの根拠が肯定的で真っ直ぐなものあれば、人から見て頼りになるような側面も確かにあるのです。

問題は、そこに自分のトラウマが混ざってしまうことであり、それを溶かさない限りは、自己防衛に翻弄されてしまうことになります。

その凝り固まった価値観から解放されることで、視界がクリアになり、この世界の広さ、生きることの純粋な楽しさを実感することができるでしょう。

最後に、私が大きな変化を実感したある瞑想法について、その効果をまとめましたので、もし興味があれば、ぜひ以下の記事も見てみてください。

きっとあなたの人生が良い方向に転換するきっかけになることと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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